もっと、ずっと。
最終章「笑って」
悲しみの旋律
【茜side】
あれ・・・。
私・・・。
目を覚めると悠里の顔があった。
あれ、あたしなんで家に・・・?
病院に行って・・・純也が病気って知って・・・
そっから・・・
覚えてないや・・・。
「大丈夫か?茜?」
「うん・・・」
「病院から電話があっておまえ、扉の前で倒れてたんだぞ?」
「そうなの・・・?」
そっか・・・。
あのとき、飛び出して・・・。
あたし貧血気味だから倒れたのか・・・。
「なんで、病院に?」
「えっ?」
「あの病院は遠いから、わざわざ行くのなんてありえないし・・・。なんか目的でもあったの?」
ドキッ
私はギュッと手を握りしめた。
喉の方からゆっくり
汗が落ちる。
「べっべつにたいした目的じゃないよ」
あたしは慌てて布団にかぶった。