もっと、ずっと。




「嘘つけ。もしかして・・・元彼のことか?」

「・・・バカ」



なんて勘が良いお兄ちゃんなんだろう・・・。
悠里はゆっくり私の目を見た。
それでも私は布団にかぶる。
そしてふるえる声で言った。



「純也・・・病気なんだって」

「へっ?」

「肺ガン・・・なんだって・・・」



思わず鼻をすすってしまった。
それを関知した悠里は



「それで・・・?」

「もう・・・長くは生きられないんだって・・・」

「それで・・・?」

「えっ?」



悠里はそれでを連発してくる。



「それで・・・。茜はどうするんだよ?」

「どうするって・・・」

「今の彼氏がいて、他の男のために涙流したら悲しむぞ?」

「・・・」



そうだ・・・。
道重くん・・・。
このままつき合うのは、無理・・・だよね?
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