もっと、ずっと。
やっと心が晴れたような
そんな気がするよ。
「道重くん・・・。あたし、実は」
「いい」
「えっ?」
「言わなくても分かってる。純也のことが好きなんだろ?」
道重くん・・・。
彼の表情は実に穏やかだった。
私は無言でうなずいた。
道重くんは「そっか」と言って
少し黙った。
「茜は・・・覚悟決めてるの?」
「覚悟・・・?」
「そう。純也のこと聞いたからには、覚悟してあいつを向き合わなきゃなっ」
そう言って道重くんは
私の頭を軽く触ってにっこり笑った。
「最後に・・・。キスしてもいいか・・・?」
「えっ・・・」
「やっぱ・・・無理?」
「・・・ううん。いいよ」
そう言って私は目を閉じた。