もっと、ずっと。





「嘘だ~~~」

「おい!!南!!おまえいい加減にしろっ!!」



南は俺をからかう。茜はその姿を見て笑っていた。
それで俺も笑った。
南だって笑った。
若槻は本を読みながらもこっちに視線を移した。




「若槻は相変わらず本好きなんだな!」

「・・・うるさい」

「もしかして・・・?」

「照れてない」



そんなたわいもない会話をして、
不思議と時間は
早く流れていった。




「もう、そろそろ帰らなきゃ」

「もしかして、お母さんいないの、また?」

「うん。最近仕事忙しいんだって」

「気をつけて、帰れよ。夜は寒いし」

「うん、ありがとっ」




帰る前に茜の笑顔を見た。
やっぱり・・・。可愛い。
茜は言えないが、
世界一可愛い女だと俺は思う・・・。
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