もっと、ずっと。





「また来るね」

「おう」



ガラガラッ



「あら。さっきの・・・。お見舞いに来たの?」

「はい。もう帰ります」

「そう気をつけてね」

「はい」



峰岸さんと医者が入ってきた。
どんだけタイミング悪いんだよ・・・。
まぁいい・・・。
どうせ、点滴の量多くするとかだろう・・・。



「倉本くん。大事な話があるの・・・」

「何?」

《こっちを向いてください、倉本くん》

「めんどくせっ・・・」



俺は嫌そうな顔で医者を見た。
なんだよ。
どうせいつもと同じこと言うんだろ・・・。
早く言って
どっかいけよ・・・。




《落ち着いて、聞いて欲しい。実は、君のガンが・・・。骨までに転移してる》

「・・・え?」




俺は少し言葉を失った。
骨までに転移・・・?



《今の抗ガン剤ではもう施しようがない・・・。》
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