もっと、ずっと。




ガラガラッ



峰岸さんが診察をしに、病室にやってきた。
峰岸先生は純也の顔を見た。
すぐに目をそらした。



「茜ちゃん。病室抜けてくれる?」

「えっ。あっ、はい」

「倉本くん・・・。診察するね・・・」

「おう・・・」



二人とも元気がない。
やっぱり何か隠してる・・・。



「じゃあ、また後でね」

「おう」



バタンッ



私は病室を出た。
そして病院の屋上へと走った。




ぎぎぎぎぃーっ




屋上には誰もいなかった。
風もなく、暖かな日差しが差し込んでいる。
うん?あれ、もしかして・・・。




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