もっと、ずっと。
「茜ちゃん・・・いい?」
「はい・・・」
私は廊下に呼ばれた。
峰岸さんは深いため息をついて私に言った。
「実はね・・・先生に生きてるのが不思議だって言われたの・・・」
「え・・・。それ、どういうことですか?」
「・・・骨にそこら中ガンがあるの、純也くん。生きてるだけで精一杯なのに彼は私たちの言葉を理解してる・・・。必死に生きようとしている・・・」
「・・・あと、どのくらいなんですか?」
私は顔を上げて言った。
「・・・春に一緒に桜は見えないね・・・。1日、1日をこれからは大切に過ごすべきね・・・」
そう言い残して峰岸さんは行ってしまった。
私はその場に立ちすくした。
すると・・・
「茜?」
横から声がした。振り向くと・・・
「・・・舞」
舞が、花を持って立っていた。
舞と私は純也の病室に入った。
舞は純也と初対面だった。