もっと、ずっと。





「純也、心配しないで。私は・・・私はどこにも行かないよ・・・?」



そう言うと、純也はゆっくり目を開けた。
私は握っていた手を放した。



「純也・・・大丈夫?」

「今・・・とっても怖い・・・夢を見た。茜が・・・茜が、俺をおいて・・・。どっかに行っちゃう・・・夢。行かないでって・・・何回も・・・言ったのに・・・」


「純也、私は、ずっとここにいるから。ね?」



純也は私の顔を見た。
そして、また目から涙を流しながら言った。



「怖い・・・」

「えっ?」

「死ぬのが・・・怖いよ・・・」



うっうっ



純也は手すりにしがみつきながら、激しく泣いていた。
私は強く、純の手を握った。
さっきよりも強く・・・。



「純也は絶対死なない!!!!純也は・・・うちがおばあちゃんになるまで、ずっと生きるの!!!」



私も泣いていた。
泣いて、泣いて・・・。


純也と同じ気持ちを味わった。
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