もっと、ずっと。





ガラガラッ




「茜・・・」



みんなは一斉に私の名前を呼んだ。
悠里に、明日香に、璃紗ちゃんに・・・。


道重くんに舞に・・・。
峰岸さん。梓ちゃん・・・。
純也のお母さん、お父さん・・・。



そんなみんなの顔は
悲しそうで・・・。


明日香や梓ちゃんは
ボロボロと涙を流している。


そんな二人の奥には
安らかに眠っている純也の姿が・・・。



「純也・・・。また、寝てるの?」

「茜・・・。純也は」

「純也ーーー。さっきね、また空を見たんだ」



何も言わない純也に
私は次々と話し出す。




目の前の現実を
信じたくないのか
信じられないのか・・・。




そんなことすら分からない。




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