もっと、ずっと。




私は足を止めて、ふと空を見た。



「・・・青空・・・」



あの人の好きな青空。
雲一つない、澄んだ青空。
あの時から青空を見ると、純也を感じるような
そんな気がした。



「あかねー!どうしたの??」

「えっ?」

「空なんか見て」

「この空を見るとね・・・なんか幸せな気持ちになるの!」



私は笑顔で明日香に答えた。
明日香は首をかしげながら、行こう!!と言って、
強引に私の腕を掴んだ。



「ちょっちょっと、待って」

「もー、なんなのよー!」



ぱしゃっ



「空なんか撮ってどうするの?」

「・・・ずっと、心の中に保存しておく!」

「へーんなの!ほら、早く早く・・・」

「えっ、ちょっ、危ないって!!!」



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