もっと、ずっと。
夏休みが始まった。
まだ純也からのメールは来ない。
「おねぇ、おにぃどこ?」
「さぁ・・・バイトじゃない~」
俊樹の声にもあまり耳を傾けない。
俊樹はちょっとむすっとしている。
どうせ、悠里のことだ。バイトに決まってる。
ドタドタッ
「おい、やったぞ!俊樹!茜!」
一階からすごい足音をたてて、
悠里が私の部屋に乗り込んできた。
私も俊樹も口が開いている。
「何が?」
「俺、彼女ができた!!!」
「誰?」
「バイトの人。けっこう曜日が重なってたんだ。
で、昨日の夜。メールしたらokだった!!」
なんか期待しちゃったよ・・・。
なんだ、そんなことか・・・。
俊樹もは~とため息をついた。
悠里はかなりのk.yだな・・・。
「・・・ん?なんか変だった?」
「なんも」