ラブシチュエーションアイツが弟?
今日買い物のとき透に、『小堀って仕事早そうだな』って言われたのを思い出す。

あのときの笑顔と

今のちょっと驚いたような顔。

……どうしよう。




今日のリンゴだって、あんな小さいの見たコトないってみんなにも笑われた。

指まで切って……

本当に私ってどんくさい。

グータラだし……

幻滅される一方だ。





透に……嫌われたくないよ。




だから。

「手伝う」

透が洗った、泡のついたコップを水道で流す。

「ん……。オレ、やるから」

透に手を押しのけられた。





ふと、キッチンのゴミ箱の横に

パイナップルの缶が見えた。

……あれ?

私、ゴミ箱に入れたよね。

蓋がいびつにギザギザになったアレは、まさしく私が開けた証!




「透? ゴミ漁るなんてひどい! アレ見てびっくりしたんだ。私の不器用さに……」


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