ラブシチュエーションアイツが弟?
透がいなくなり、私がここにいる意味もなくなってくる。

「今の間だけルミのところに行ってよっかなー」

「冗談だろ~? ここにいろよ」

大和にガシッと手をつかまれる。

「や……めてよ」

「逃げんなって。な、今日透と消えたけどさ~、プールでイチャイチャ……ふふっ」

いやらしい笑みを大和が見せる。

「……は? なんもないし。フツーに泳いでましたぁ」

「マジかよ~。透に聞いても同じコト言うしな……。あやしいな、ふたり」

ふたりになって……透にそれ聞いてたんだ。

岡やルミがいる前では、正直にしゃべらなそーだもんね。透って。

いや、でもなんもないんだけど。



「手は?」

「……つないだ」

「うわ、赤くなってやんの。……みちるがねぇ」

大和が歯を見せてイヒヒと笑う。

ほっといてよねぇ。も~。


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