ラブシチュエーションアイツが弟?
「ごめん……」

そう言って透は、私の手をにぎった。

優しい瞳。

背の高い透に見下ろされ、下から見上げた好きな顔に

ズッキュン!




ヤバイ。

透のこの……クールなうつむき加減の顔が、かなり好き。




大和が今日言っていた言葉が脳裏に浮かぶ。

『手つないで、ギュッとして、その先は?』

イヤイヤ。

まだギュッてされてない。




そう思っていたら、透の腕が私の背中にまわった。

――ギュッ!

って、されちゃった。



「明日から……しばらくごめんな。ちょっとだけ行って、すぐ帰ってくるから……」

そう言って、透は私を抱きしめる腕に力をこめた。




うわ……。

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