ラブシチュエーションアイツが弟?
「透さ……必要以上にひとに気にされるの苦手みたいで。

転校して来たときも、色んなヤツに話しかけられんのヤだったんだと。

で、補講んときにみちるに会って、『小堀みちるは、ホント他人に無関心過だから、逆におもしれーよ』って教えた。

そしたら、そのまんまアイツ、みちるのコト好きになってんだもん。ビビったって……」

「な……なに、それ」

「1年のときクラス違ったけどさ、オレ結構みちるのコト気に入ってたんだよな。

でも何回かしゃべりかけても全くオレに興味持たなかったじゃん」

「え……話しかけられたっけ? ほとんど覚えてないけど」

思わず顔を上げて、大和の顔を見つめてしまう。

抱きしめられた瞬間はドキドキしたよ?

……でもね、目が合っても、透のときみたくドキドキしない。



これって、私は大和を好きにならないっていう証拠だよね?

キョトンとして大和を見てると、大和にため息つかれた。



「……やーっぱな。今もそうだけど、眼中にない! って感じだな。ムカムカする」

そんなぁ。ムカつかれても困っちゃう。

だって、透にだけ反応するんだもん。

……私の心は。






< 331 / 533 >

この作品をシェア

pagetop