ラブシチュエーションアイツが弟?
なんて、くだらないコトを考えてしまう。

もしかして。……地元の元カノ?

目をパチクリして考えてると、その子がクスっと笑った。


「初めまして! 明梨っていいます。元、妹……かな?」

うわ、これが妹さん?

長い黒髪をサラサラ揺らし、大きな目を細める。


……かわいい~。これは透が帰るときに服も迷うわけだ。

オシャレして、妹にいい所見せたいよね。

「初めまして~、えっと……今の姉の、みちるです」

元妹だとか、今の姉だとか、ややこしいね。


透は私をチラッと見る。

さっきまでの固い表情が少し和らいだ気もする。

長旅で疲れちゃったのかな?

「小堀、ごめんな。妹がこの家見たいって聞かなくてさ……」

「あぁ、ぜんぜん。だって、元はと言えば、透のウチだもん」






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