ラブシチュエーションアイツが弟?
「透、明梨ちゃんとケンカでもしたの?

ホラ、みんなで仲良くチャーハン食べようよ!」


色気もクソもない、チャーハンという単語。


これがパスタとか、グラタンとかだったらもうちょっとマシに聞こえたかも。


「別にケンカとかそんなんじゃない。勝手について来たんだ。

まさかつけられてるとか、思わねーし」


……つけてきた?


じゃあ、透がわざわざ連れてきたわけじゃないんだ。


明梨ちゃんを見ると、もうリビングの中に入って来ていて、私たちがいるソファのすぐそばの床に座っていた。


うわっ! びっくりしたぁ。移動が素早いね……。


明梨ちゃんは下から私を見上げ、大きな瞳をキラキラさせながら、こう言った。


「お兄ちゃんと、付き合ってるってホント?」


ドキッ。


透、明梨ちゃんに……私たちのコト、話したんだ。
< 343 / 533 >

この作品をシェア

pagetop