ラブシチュエーションアイツが弟?
「ヘンな噂?」

「明梨、オレのコト『大好き』だって、色んな人に言いまくっててさ、

通学中とか学校でも会えばすぐオレにくっついて、ベタベタしてたんだよな」

「うん……」

「オレも、まんざらじゃなかったし……。結構デレっとしてたのかもな。そしたら、いつの間にかさ、

オレが妹犯してるって噂が学校中に広まってた。バカらしーだろ」

「そんな……ヒドい!」

「ははっ、中学生なんてそんなモンだよ。おもしろがって、噂を大きくする。

どうも、オレの親が再婚だって知ってるヤツらが、たてた噂らしーけど、

そのせいで、いつも好奇の目で見られてさ。学校にもいづらかった」



透が、ひとに見られるのをすごく嫌うのは……もしかしてそのせいなのかな。

それにしても、そんなコトがあったなんて。

辛かったよね、透。



一度離れた透の手を、私の方から軽くにぎった。

私のその行動に、透は少しだけ表情を和らげた。

でも、続く言葉は……穏やかなモノではなくって。





< 354 / 533 >

この作品をシェア

pagetop