ラブシチュエーションアイツが弟?
ち……ちょっと、待って。

今度は私が首絞められちゃう?

明梨ちゃんから離れようと思ったら……

ガシッと腕をつかまれた。

……ひいぃっ!

身体がガチガチに固まって、動けなくなってしまう。

……チキンな、私。




「お兄ちゃんと付き合ってるんでしょ……。ホントに?」

首を縦に振りかけ、途中でやめた。

だって、明梨ちゃんの反応が怖い。

お兄ちゃんが好きで、私を恨んでるんだとしたら……「うん」って言ってなにかされたら、恐ろしいよ。

「明梨、お兄ちゃんに……謝りたくって。だから来たのに、信じてもらえないの。

もし、お姉ちゃんが彼女なら、お姉ちゃんから明梨の気持ちを伝えて欲しいの……お願いします……」

明梨ちゃんは苦しそうに顔をゆがめ、涙をポロポロとこぼした。

とてもじゃないけど、その表情にウソはないような気がした。


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