ラブシチュエーションアイツが弟?
「送って行くよ!」

私も慌てて玄関を出た。

玄関を出た所で、明梨ちゃんはしゃがんでいた。

「……どうしたの?」

「これ、明梨が好きな花」

……え?



明梨ちゃんは、玄関扉の所にあるプランターの花を愛おしそうに眺めていた。

それって……

透が、『完くんの趣味』って言ってた花だ。

明梨ちゃんの好きな花だったの……?



「お兄ちゃん、ちょっとは明梨のコト、まだ妹だって思っててくれるのかな。アハ……それはないか」

「明梨ちゃん、透……その花に、毎日お水あげてたよ」

「ホントに?」

「うん。……私もその花好きだよ。明梨ちゃんの気持ち、ちゃんと透に伝えておくね」

私がそう言うと、明梨ちゃんは「お姉ちゃん、ありがとう」って言って、嬉しそうに微笑んだ。

その笑顔に偽りはないような気がした。



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