ラブシチュエーションアイツが弟?
商店街までやって来て、本屋に入る。

……本を読むと落ち着く。

しばらく立ち読みしてから外に出ると。

――チリン!

ハッとうしろを振り返ると、そこに大和がいた。

「オーッス! 透、偶然だな。なんか同じシチュエーションがこないだあったぞ~?」

「同じ?」

「イヤイヤ、こっちの話。……透、ここでなにやってんのさ。みちるは?」

大和はニヤニヤしながら自転車からヒラリと降りる。




「小堀……家に置いてきた」

「てコトは、別行動か~。オレ、お前んち行って来ていい?」

「あぁ、そーだな。行ってくれた方が助かる。なにも言わずに出てきたから、家で焦ってるかも……」

メール入ってるかと思ってポケットを探ると、家にケータイを忘れて来たコトに気付いた。

あんな形でオレがいなくなってたら、小堀驚くだろうな……。マズイかな。

ひとりそんなコトを考えてると。

「透! みちるはさ、見たモノしか信じらんね~単純なイキモノだからな? 透みたく、考えるとかそーいう知恵はナイわけ。

冷たくしたんなら、謝んねーとアイツはわかんねぇよ」

大和の言う通り。それはわかってんだけど。

< 375 / 533 >

この作品をシェア

pagetop