ラブシチュエーションアイツが弟?
大和と知り合って、同じ高校に進学した。

そこでもオレはまた見られて……。

だけど、そんなオレに大和が教えてくれた。

『ひとに興味持たないオンナがいる』って。

高1の夏休みの補講で、その彼女と出会った。

彼女の名前は、“小堀みちる”



いつも相手に見られてるオレからしたら、新鮮だった。

こっちがじっと見ても、1度も目が合わない。

……おもしろかった。

今まで観察されるコトの方が多かったオレが、ひとの観察をできる。

小堀は、補講にやって来ては、眠たそうな顔で席に着く。

友達が多いみたいで、色んな子に声をかけられてる。

小堀だって色んな人に見られてるのに、全く気にしない堂々とした感じ。

補講で、みんなが『わかった』って言ってる場面でも

自分がわからなければ、先生に『今の所意味わかんないです! もー1回』とかって、周りを気にせず言うし、

思い切り笑って、怒って、素直で……って感情表現が豊かな所が、すごく魅力的だった。

オレと真逆だよな。

大和に言わせると、『みちるは多分、透をイケメンと思ってない』って。

自分がそうだとは思わないけど、今まで女子に興味もたれて鬱陶しいって思ってたのに

そう言われると……こっち向かせたいって言う、不思議な気持ちになった。



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