ラブシチュエーションアイツが弟?
透の肩にちょこっと頭を乗せて、ふたりとも正面を見たまま話す。

「そっか、わかった。なら、安心した」

そしたら透の顔がこっちを向くのがわかったから、私は視線を斜め上に上げる。

ひゃー、今さらながらドッキドキしてきた。

私なんで透にもたれかかってんだろ。



「コラ、もしかして透は心配性さんかなっ?」

おどけて、近くにある透のほっぺをツンツンつついた。

「やめろよなー。違うって……」

透にさえぎられるときに指が触れ、それで一気に顔が熱くなった。

自分からやっといて、なんなんだろ、私。

見上げると、こっちを見ている透とバッチリ目が合った。

思わず頭を起こす。



……うわ、目の前に透の顔が。

これは、もしや。

ドキドキドキ。

透の甘い顔が近づいてくる

……ハズ?






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