ラブシチュエーションアイツが弟?
透は何も言わず、ただ床を見つめていた。

「あのね、洗濯物取り入れた後はたたんだコトないんだ。全部クローゼットに突っ込むの。

そこから取って着るから、急いでるときは間違ってお母さんの着てたりね。

夏休み前の黒いブラがそう! あれ、お母さんのだったんだよ。あ、完くんの趣味かな~、やだねぇ」



和ませようとして、『ぷぷっ』と笑うも、透の反応は悪い。

……あら、ダメか。

「それとね、マンガ読みだすと熱中しすぎて周りが見えなくなるんだ。

休み前とか、朝までマンガ読んで、お風呂も入らないの。汚いでしょ~」

「でも……朝入るんだろ?」

透がやっと口を開いてくれた。




「ううん、その日の夜! かな。だからその休みの日は友達と会わないんだー。

ルミが来るって言っても、頑なに断る! 今日便秘で会えません! って」

「……は? 何だよそれ。便秘って……」

あ、透がちょっと笑ったような。

「でもね、ルミは納得するんだよ~。『みちる、頑張って出してね』って」

「ぐっ……どんな会話だよ」

そこで、透が一瞬吹いた。

やった!




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