ラブシチュエーションアイツが弟?
「お兄ちゃん! ごめんね、水沢さんとどうしても帰りたかったの。いいよね、たまには」

そう言ってクスクス笑う明梨は、最近だんだん水沢のマネをしているような気がしていた。

いつもくくっていたのに、ずっと短めだった髪も伸ばして下ろすようにしたり、水沢の前髪をマネてみたり。

口ぶりも……なんとなく似てきたような。




けど、憧れる人のマネをするのなんて

よくあるコトだし……

明梨もそういうモノの一種なのかって

思っていた。




「明梨が迷惑かけてごめんな。コイツずっと喋ってるから、疲れるだろ」

「ううん! 明梨ちゃんって一緒にいて楽しいよ。

あ、今日ちょうど透に数学の宿題教えてもらおうと思ってたんだ。今から教えてよ」

「あぁ。……じゃ、明梨は部屋出てけよな」

明梨は「は~い」って言って、部屋をすんなり出て行った。






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