ラブシチュエーションアイツが弟?
「……あか……り?」

怖る怖る、明梨の名前を口にする。




それでも、明梨はじっと黙っていた。

「ちょっと……落ち着こう。どうした? なんか……あったか?」

「……お兄ちゃん」

「うん……どした?」




明梨の手をのけようと、そっと腕を掴もうとしたら、

喉元にあてている親指を、軽く食い込ませてきた。




……マジ、かよ。

コイツ、本気だ。




「お兄ちゃんののせいで……学校に行けないよ」

「え……。まさか、噂のせいで……?」

「そうだよ。もう……ハズかしくて、学校に行けないっ!」

学校で楽しそうに見えてたけど、違ったんだ。

コイツも、オレと同じように苦しんでた?






< 456 / 533 >

この作品をシェア

pagetop