ラブシチュエーションアイツが弟?
なんか……

頭の中が空っぽになるっていうか……

意味のわからない喪失感がオレを襲う。

あまりに突然の発言に、思考が全て止まった。

しばらく固まってしまう。




すると、明梨はオレの喉に軽く食い込ませた親指を緩める。

そしてクスっと笑った。

「……今からでも、いいよ。そしたら明梨、ウソ付きじゃなくなるもん……。

ねぇ、キス……しよっか」

「ちょ……冗談だろ?」

「冗談言ってる顔に見える? 水沢さんと最後、どんなキスしたの? 明梨にも……してよ」



水沢……?

ここで、まさか水沢の名前が出てくるとは。

しかも、水沢の時はオレは……されるがままで。



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