ラブシチュエーションアイツが弟?
「…そうなんだよな。明梨の心配する余裕なんてなかった。

サイテーだろ…。あれだけ明梨を可愛がってるつもりでいたのに。

あんなコトになった途端、オレ…自分のコトしか考えられなくなってた」



信頼していた人に…もし、突然首を絞められたら。

私だって、相手を怖いと思うし、

すごく傷つくと思う。

だけど、どうかな…。



「うん…。透はもう、いっぱいいっぱいだったんだよね。軽蔑とか、しないよ。

自分が壊れちゃったら意味ないもん。透は…ひとりだったんだよね。大和みたいな底抜けのバカが、ひとり側にいればよかったね」

「……すげー言い方」

透は、下を向いたまま、ちょっとだけ笑った気がした。

「今頃だけど、透には私がいるから…だから、一緒に頑張ろう!」

「…オレが小堀にそんなコト言われるなんてな」

「でしょー。ほんのちょっとでも、元気でた?」

「あぁ。…ちょっとどころか、いっぱい」



そう言って、透はやっと顔を上げてくれた。



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