ラブシチュエーションアイツが弟?
「いいよ!吐きたいなら、私の手にどうぞ。いつでもこーやって待ってるから」


透の顔の前に、手のひらを受け皿のようにして突き出す。


「いや、そーいう意味じゃねぇんだけど……まいったな」


唇を噛み、ツラそうな顔してる。


「わかってるよ、苦しいって。けどさ、ずっと引きずるって……よくないよ。

透が中学の時を思い出すのって、教室?先生?友達?

だったらさ、その場所に行って……新しい思い出作ろうよ」


「いや。んなコト言われても……」


透の手を握ったら、振り払われた。


ぐっ!負けないから!


逃げた透の手を、また頑張って捕まえる。


私の意外な行動に、透の方が驚いていた。


「私……中学の時、透と同じ学校が良かった!同じクラスが良かった!

辛い時に、そばにいてあげたかったよ……。でも、できなかったから」




透の顔を見上げると、かなり戸惑った様子で私を見ていた。



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