ラブシチュエーションアイツが弟?
透と
そうして、二人でやって来たのは…
透の母校である中学校。
明梨ちゃんとのコトがなければ、そのまま卒業していたはずの中学校。
学校を目の前にすると、透の様子がやっぱり少しおかしい。
下向いてるし…。
「到着~っ!ひゃはっ、透の学校ってキレイだね」
わざと明るく言ってみるけど、効果ナシ。
ありゃ。ダメかぁー。
じゃ、違う方法で。
「よーし!透っ、目閉じて」
「へ…。目?」
「そう。こうやって…、私が今から引っ張るから、透は転けないように歩くの」
そう言って、私は透の手を取った。
昨日から…
我ながら大胆だと思う。
人間、
やる気になったら
何でもできるんだなって、改めて実感した。