ラブシチュエーションアイツが弟?
「オレのこと……よーく見てるよな」


透はふぅとため息をつく。


しまった。透は見られるのが嫌いなんだったっけ。


うわ、墓穴掘った!?


透はボールをカゴになおし、ポンと私の頭に手を置いた。


「えっ?」


「大和が言ってた。小堀みちるは、『未知の女』だって」


「はいっ?みち?」


みちるに文字ったか?大和のやりそーなくだらなさっ!


「そ。オレの想像力とか、気持ちの深さも未知らしい。大和の想像を遥かに超えてるって。

けど、小堀の場合は……本人自体は単純なんだけど、相手を変える力があるって」


えっ!そんなこと言われてたんだ。


てか、単純って。しかも透、そこ普通に言うし。


何の言葉も出せずにいると、透がこう言った。


「あいつさー、小堀のこと……よく、見てるよな。もしかして、好き……だったり、して?」


げ。



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