ラブシチュエーションアイツが弟?
意味あり気な表情で、透が私を見る。


ちょっと待て。ここで、話をややこしくするわけには……。今日は大和の話はどーでもよくって。


ドキドキしながらも、顔に出さないように頑張る。


けど、すぐに表情に出る私のことだから……透には見抜かれてたのかな。


透は頭の上に置いた手を、そっとずらし、私の頬にかかる髪に手を触れる。


ドキッと心臓がはねた。


「小堀の元気、ホントにオレに全部くれんの?」


うわ、なに言っちゃってんですか?全部あげるけど……ちょっと、このシチュエーションでは……。


ドキドキ、バクバク、心臓が壊れそう。


けど、キスはされないってわかってるから。


これからどうなるの?何言われるのって、またちょっと違ったドキドキが体の中を駆けめぐった。


「あ……あげるよっ。それに、大和は……私なんかすっ、好きじゃない」


うわ、カミカミだし。


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