ラブシチュエーションアイツが弟?
「よーし!じゃあ、走ってみよ~っ」


透の手を離して、一気に階段を駆け上がった。


「おい、小堀っ!」


3年生の教室だから、きっと最上階だよね。


「先行くよーっ!」


慌てる透を置いて、最上階まで階段をのぼる。息が苦しいけど、透より先にのぼるっ!で、上で待っててあげるんだ。


「待てって!」


うわ。


最上階にのぼる前に、グイと途中で腕を引っ張られた。


トン、と背中が真後ろにいる透の胸にあたる。


「なんでぇ?」


「足の悪い子が同級生にいてさ……ウチの学年2階だったんだ。だから、のぼり過ぎ……」


あ、そぉ。せっかく3階まで来たのに……。


なーんか、空回りだな。


透に手を引かれ、階段を下りようとすると、うしろから声がした。


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