ラブシチュエーションアイツが弟?
私も栗田くんにペコリと頭を下げた。


栗田くんも、透が突然転校して驚いてたひとりだよね、きっと。


「まさかオレたちの練習観に来てくれるなんて!嬉しいです!!」


「いや、そーいうわけじゃないんだけどな」


栗田くんやたらテンション上がってるし。それに反して、落ち着いたままのクールな透が対照的で笑っちゃう。


「あっ!彼女ですか?大倉先輩はいつもキレイな人連れてますよねー。いいな、いいなっ」


「いつもって、いつだよ……。よく言う」


そーだよ。透の元カノは水沢さんだけでしょ?


しかも栗田くん、私をキレイって言ってくれた!?めちゃくちゃいい子じゃん!


ま、ただ口がうまいだけかもしんないけどね~。


透は私をチラッと見て、ちょっとニヤリと笑った。何その笑い……。失礼なっ!


「ちょっと……透っ?」


私が透に笑わないでよねーって言いに行こうとすると、栗田くんがハッとした表情になる。



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