ラブシチュエーションアイツが弟?
「いっつもふたりきりじゃん。そんなの、透と一緒の方が……いい」


勇気振り絞ってみる。


そしたら、透はパチンと指をならした。


「小堀がそう言ってくれんの、期待してた。

じゃ、今日は……雰囲気変えて、一緒に寝よーな」


うん!


よく考えたら、いつもふたりきりだったんだよね。


「えーと。ラブ……ラブ……ラ」


ラブホ?って言いたいけど、なんだかいやらしいイメージで、言い切れない。


しかも、この辺りって住宅街だから、そんないかがわしい建物はどこにもない。


「駅前にさ、ビジネスホテルあったから、そこ泊まろ。比べるとちょっと高いけど……ま、いーかな。

小堀といきなりそういう所行くの……なんか勇気いるし。今日は旅行気分で、楽しく過ごそーな」


そう言って、透は私の手をキュッとにぎる。







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