キミがいたから ―after story―
2人を見ていると、1人の男の子と目が合ってしまった。
『おい、奈央。どうしたんだ…』
『池上、奈央先輩。ですか…?』
悠の言葉を遮るように、男の子と女の子が近づいてきて、男の子があたしに声をかけてきた。
「そう、だけど…?」
そう、言った瞬間。
2人が目を合わせ、嬉しそうに笑いだした。
…何?
「私、藤川夏(フジカワナツ)って言います。高一です!」
何処かで、聞いたことがある気がした。
『俺は田辺、雄斗っす』
ドクッ――
また、だ…。
胸が締め付けられる。
『田、辺…?』
悠が、静かに。
…でも確かに呟いた。