キミがスキ

…不器用な言い方。




…て不器用なのはお互い様か。





歩椎が差し出してきた手をそっと握った。





「ねぇ。なんで教室に居たの?」





だって歩椎はとっくに教室から出て行ったじゃない。






「…忘れ物だ」





「…その忘れ物ちゃんととってきた?」





そんな様子は見られなかったけど…






「あぁ」





「え? いつの間に。何忘れたの?」





まあ、ならよかったけど。







「…くそ。明日華のくせに敏感だな。




そこまで追求してくんな」






え…追求してるつもりないけど。





だって机あさってなかったしロッカーなんて遠すぎだし。




< 158 / 248 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop