キミがスキ
明日華は素直だから、俺のこと信じて待ってるんだろうな…



そう思うことすらプレッシャーになってたこともあった。




でも、待ちうけは2人のプリクラで、



やっぱり、この顔を、この笑顔を、ずっと見ていたいんだ。



“俺が明日華の病気を治す”



そう言ってわざわざ明日華のもとを離れて東京に来たんだから、立派になって帰らなければならない。





萎えても病んでも、そう思うことで乗り越えてきた。







そして卒業が近づいて、さゆりの足も治り、精神もだいぶ落ち着いた。





心の病気を治すのは簡単なことじゃなかった。





俺は、前からさゆりには言ってあった。




卒業したら彼女を迎えに東京を出るから、もう会えなくなること。



納得していなかったけど、無理矢理納得させて来た。




正直明日華にどんな顔して会えばいいのか分からなかったし、


こんなに明日華を放置させて、のうのうと現れていいのかも分からなかった。




でも、明日華を信じてた。




だから、会いにいったんだ、卒業式の今日。





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