reborn
「あ、俺卵買い忘れてた





ちょっと達也くん、さくら頼むわ」





カズは気を遣ってくれたのか、そう言って卵売場の方へ歩いていった





「た、つや………」





名前を、呼んだ







しかし達也は驚きもせず、まっすぐあたしを見つめた






「姉ちゃんっ…俺っ……ずっと後悔しててっ……」





達也……




「あの時、なんでもっと喋らなかったんだろうって…




あの時だけじゃない




俺、部活を言い訳にしてた




変わってく姉ちゃん…見てらんなくて俺………」






「いい、よ」





達也の涙を見たのは初めてだった





小さい頃から我慢強くて影で泣いているのは知っていたけど…全然達也に絡まなかったのはあたしの方だよ







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