シンデレラ☆*
視界に映る、犬と同じカッターの刃。
刺した人の顔を見た。
見覚えがある。
だって、その人はあたしが潰した族の総長だったから。
「み、溝川…」
溝川はフッと笑って走って行った。
犬が危ない。
どうしても、犬は助けたい。
震える手で犬を抱えて、ここから近い動物病院に向かった。
足を動かすたんびに、その振動で迸る激痛。
痛すぎて、麻痺してきそうで。
意識なんか、スグに飛びそうで。
でも、この犬の命は大きくて。
病院に着くと、受付の人があたしを見るなり病院に電話をかけた。