恋Recipe
▽Recipe@自転車
「くるみー!朝からなんだか得した気分だね!!」
『莉子には彼氏がいるでしょ?』
「まあそうだけどー。くるみ的には嬉しかったでしょ?」
『そんなことないよ。確かに佐藤藍斗はかっこいいとは思うけど、私とは住む世界が違うの。』
「あれ…?ねぇ、くるみ、これ」
莉子が見つけたのは
クマのキーホルダーのだった。
「佐藤君のじゃない?」
クマの洋服にアルファベットでA.Sの頭文字がかいてあったから、
佐藤藍斗のだと
私も思った。
「男子のわりには以外と可愛いの付けるんだね。」
『彼女からのプレゼントとかじゃない?』
そうだよ、彼女からのプレゼントだよきっと。
私はなんだかこの時
自分にそう何回も
心の中で言っていた。
自分の気持ちを
沈めるために。
無意識に―――。