¥時給1000万円
舌打ちをし合うと二人は離れていった。

この金髪の男の方がまだあの男よりもしっかりした人間の心を持っている…。ちゃんと自分の友に対して哀れむ感情を抱ける人なのだと…永井はそう思った…。



寝室はその後静かな空間になった…。







「……なぁ永井…。」
大島がベッドを覗き込むように近づいてきた。

「…夜食でも食いにいかねぇか?」
「……夜食……!?」

そう言われると腹の虫が鳴くほどお腹が空きはじめた。
家を出てからというものの、緊張と恐怖で何も口にしていなかったため『夜食』と言われて敏感に身体が反応する。
4時半を過ぎて今日のところは床に就きたかったが大島が行くならと半ば安心して部屋を出た。




…暗いトンネルを進む…。


左に道が曲がっていくため恐らく下へ降りているのだろう…


急に大島の足が扉の前で止まると永井は驚いて急ブレーキをかけた。

ためらうこともなく大島は中へ入った。
続けて永井も入る。
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