¥時給1000万円
「……すげぇよ…!…おもしれー!!」
永井は次々と食べたいもののボタンを押していった。大島も味噌味のカップラーメンを選んだ。

「…オーナーのせめてもの慈愛らしいぜ…?」
「……慈愛……かぁ…」
確かにその分 こちらは命がかかっている…。ホントにオーナーの心には慈愛という気持ちがあるのだろうか…

渋々 部屋の端に置いてあるポットをカップラーメンの容器に注ぐ。

ジョボジョボという音の先からはキレイな白い煙が立ち上っていた。



休憩室には笑い声と麺をすする音だけが響いた…







お腹を満たすと今までの辛さを忘れているかのように素直に寝室へ戻った。
部屋はすでに消灯されている。
結局 永井は全ては食べきれず、未開封のカップラーメンを持ち帰りカバンへ詰め込んだ。


従業員はほとんどが眠っている。
話し声が微塵も聞こえず、いびきと漫画のページをめくる音がよく聞こえた。


大島と『おやすみ』と交わすと永井は自分のベッドへ横になった。


…………
……………
あっという間に深い眠りに就く…


…そして長かった一日目も終了した………



勤務一日目終了……
< 116 / 392 >

この作品をシェア

pagetop