¥時給1000万円
機械は少し古く薄汚れていたが特に壊れているということはなさそうだった。
『カードと通帳をお入れください。』
と画面に表示され挿入口が赤く点滅している。
向きに注意しながら挿入すると画面には『右手の人差し指を指紋認証センサーに当ててください。』との指示が出た。
そして画面の横にあるセンサーに当て、『認証中…』との文字が浮かび上がったかと思うとすぐに選択画面が現れた。
決して悪いことをしているのではないのだが、周りを見回した後『残高照会』のボタンを押してみる………
……………………!!
驚いて右足が一歩引いてしまった。
画面には『¥030,000,000』と 見たことのない桁になっていた。
すぐにでも持ち帰りたい…そんな気持ちから『お引き出し』と書かれたボタンに指が触れそうになる…
「………ちゃんと入っていただろ…?」
驚いて振り返ると二葉が立っていた。