￥時給1000万円

「…………ん？」
疑いをかけられていた６番テーブルの男が苅谷の顔をまじまじと見ていた。
「……お前ら…！」
「…見苦しいぜ…苅谷さんよ…？」
「……あ？」
「……さっきは俺だけを疑っていたのに、自分に危険が迫ると今度はここにいる奴らが全員グルだと言い出した…。」
「…そ…それは…！」
「…誰も同じ条件で闘ってるんだ…！……お前の死に際の勝手な理屈など聞きたくはない！！」
「…………るせえ！…金田が怪しいと言ったら怪しいんだ！あいつは嘘なんかつかねぇ…！！」
「…人間は窮地に立たされると簡単に嘘を付き、そして誰かを疑いたくなるもんだ…！それがどんなに理屈にあっていなくてもな…」
男が話している間も苅谷はずっと騒いでいた。

「……開票を続けろ…！」

オーナーは苅谷を睨んだ…
「…苅谷！！」
「……！！」
苅谷はハッと気づく…

自分は今…情けないことをしてた……

そしてオーナーは意味深に告げる…
「……もし…もしお前が生き残ったら……ここにいる者が皆グルだということは考えんか…？」
突然の発言に誰もが驚いた。だが誰よりも驚いていたのはもう１人まだ名前を呼ばれていない藤本だった。
「…ど…どういうことだ…！！…まさか俺を殺してあいつを生き延びさせるつもりかよ…！！」
オーナーは顔を背けた。苅谷は驚くように顔をあげる。