¥時給1000万円
静寂……
時間が長く感じた………
オーナーの口がゆっくりと開く……
「…3票で…灘だ…!!………ということで…」
「うわァアアアアー!!ふざけるな!!!!……てめぇらいい加減にしろよー!!!!!!!……アアアアアア゛ァーーー!?」
生気の抜けていた平居が突如 獣に変わった。
繋がれている鎖がジャリジャリと激しい音を立てる。平居は一生懸命もがいたが身動きはとれなかった。
「よし!!」
カウンターの男は喜んでいる。
「…ちょ…ちょっと待て!!!!」
大島が突然大声を上げた。
永井はハッと気づく。
そうだった…!!
「……その箱の中を見せてほしい!!」
「……なっ!何が言いたい…」
「…その中に実は大量の投票用紙が入っていて、それによって投票数が動いているんじゃねぇかってことを言いたいんだよ…!!」
「……そ…そんなのないに決まっているだろ!!」
カウンターの男が立ち上がる。
「…フンッ!なぜお前が突然出てくる…!」
「…いや…それは…」
「教えてやろうか?……それはお前が毎回その大量の紙を入れているんだよな!?」
オーナーは黙っている。
「…違う!!…見間違いだ…!!!」
男が焦れば焦るほど怪しく見えてきた。
「……オ……!」
男はオーナーに助けを求めたかったのかオーナーの方を向いて何かを言いとどまった。
これは……図星か…?
大島に自信がついてきた。
極力オーナーはカウンターの男に目を合わせないようにしている。
初めて見せるオーナーの動揺…
まさか本当に……