¥時給1000万円
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6回コールを聞いて諦めかけたときだった…
あっ…繋がったっ!
「…はい、もしもし居酒屋『ネック』でーす!どうしたの永井ちゃん?」
「…えっ?…ど…どうして俺の名前が…?」
「うちの電話は番号が表示されるのよ〜!ほら携帯だって表示されるでしょ?だから登録しておけば名前で表示されるし。何かと便利なのよねぇ〜…迷惑電話とか警察からの電話に対応しやすいし!」
「…そうですか…」
警察への対応ってどういう意味だ…?
「…んで、なんか用事があったんじゃないの?」
「…あっ、すいません…!実は住所が分からなくなっちゃって…」
「…まぁ…せっかく丁寧にジョブロに書いといたのに…。無くしたんだか なんだか分からないけど、まぁいいわ!言うからしっかりメモりなさいよ!」
「…はい…すいません…」
6時半になった。
「…母さん、ちょっとバイトの面接行ってくるわ。」
「…前のコンビニはどうしたの…?」
「お兄ちゃんまたバイト変えんの!?」
高校生になってばかりの妹が制服のまま間に入ってきた。
「いいだろ…。面接で受かったら前のバイトはやめるよ。時給がよくってさー!」
「…そっ!んじゃ夕飯冷蔵庫の中に入れとくから気をつけて行ってきな!」
「…いいなぁ…私もバイトしよっかなぁ〜!」
「…お前はまだ働けないだろ!」
「…はいはい…。」