¥時給1000万円
永井は一つ目の曲がり角のところにいた。
今からドアのもとへ駆け寄ってあのボタンを押せば出れる。
ドアの側に、入ってきた時に押したボタンと同じ赤いボタンがある。
しかし、あのボタンを押し 部屋が動いてから外に出たら明らかに間に合わない…。
今ドアを開けることも不可能!
どうする…!!
俺、ここで死ぬのかよ!
探せ!!!
隠れられる場所…!
場所…!!
「……先輩鍵締めましたよー…!」
兵士は戻って報告する。
「…うぐっ…!」
「………しっ!!」
大島が人差し指を立てて永井に強調した。
間一髪だった。
永井の後ろにはクローゼットがあった。
中に隠れていた大島はゆっくりとクローゼットを開け、背後から永井の口を抑えてクローゼットに引き込んだ。
驚きと安堵が入り混じった。
生きた気がしない瞬間を永井は体験した。
「…お…大島!お前なんでここに…」
「…静かにしろ!話は後だ。」
永井は了解し、再び2人で兵士たちの会話に聞き入った。