¥時給1000万円
「…そーいえば長嶺(ながみね)さん…。さっき意外な人が今日『クビ』になったって言っていたじゃないですか。…あれって誰だったんッスか…?」
「そっか、今日お前は出勤日じゃなかったのか…。…あぁ…意外な人だったよ……………佐田だ。」
「…え?佐田って…最近二葉を抜かしたあの佐田ッスか…!?」
「…あぁ…そうだ。」
大島と永井は顔を見合わせた。
お互いに目を見開いて驚いた。
「…いや、何があったか分かんねぇ…。思わず首切んのに躊躇しちまった…。」
「…佐田は3ヶ月弱働いたんだよなぁ…。けど最後は顔色一つ変えずに『クビ』になったよ…。ホント残念だなぁ…。」
そして沈黙…
テレビから流れる笑い声だけが部屋に響いた。
そして何分か経つと話が変わった。
「…そういえばお前…昨日入った新人だよな。」
「…は…はい!」
「………どれくらいなんだ…?」
「…と…言いますと?」
「…どれくらいなんだ…借金…。」
「…………なぜそのことを知ってるんですか…?」