¥時給1000万円


部屋に戻ると大島が永井のベッドの下の縁に座っていた。

「…よっ!」
永井が気づく前に大島は声をかけてきた。
「…大島!無事だったか!!」
「…当たりめぇだ!俺を誰だと思ってるっ!」
エヘンと言うばかりに勝ち誇った表情をしていた。

二人は笑顔で向き合った。



「…収穫はどうだった?」
永井は大島に尋ねた。

「…まずは今までどこに行っていたかが先だろ?」
「………あぁ…ごめん。………………二葉さんと話してきた……。」
「…え?二葉さんと?…どうしてまた?」
「……俺も最初はよく分かんなかったよ。突然声掛けられたしさぁ…。」
「…で、どんな話してきた?」
大島は待ちきれないという顔をしていた。

「…まず明日…………二葉さんここを出るって。」
「………え!?」
大きい声を出してきたため、永井は大島に静かにするよう人差し指で表した。
「…わりぃ……で…でもどうやって…」
「そこは教えてくれなかった…。」
「…んだよ~!そこが重要なんじゃん!」
まるで欲しいオモチャを買ってもらえなかった時の子供ようだった。
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